日本人の平均寿命は、男性よりも女性の方が長く、健康的に長生きしようと考えたら女性に生まれた方が良いのだと思ってしまいます。
日本では、女性の平均寿命が長いわけですが、たまたま日本だけ、女性の平均寿命が長いというわけではなく、先進国、発展途上国にかかわらず、どこの国であっても平均寿命は男性よりも女性の方が長くなっています。
なぜ女性の方が男性より平均寿命が長いのか?
それは、女性ホルモンのエストロゲンが関係しているのではないかとされています。
生まれ持って選ばれしが「女性」だということなのでしょうか?
○三大疾病の有病率とエストロゲン
女性が長寿になる理由の一つは、三大疾病にかかりにくいことが挙げられます。
三大疾病とは、「がん」、「心臓病」、「脳血管障害」の3つの病気のことを言いますが、最近では「肺炎」の死者数が多くなったので、「脳血管障害」と入れ替わることもあります。
私の三大疾病は「脳血管障害」を含めたものにさせてもらいます。
最も死者数が多いがんになる人は、男性で約50万人、女性で約40万人と10万人の開きがあるとされています。
女性特有の乳がんや子宮頸がんなどもありますが、がんの発症数に関しては女性よりも男性の方が多く、心臓病や脳血管障害も女性の方が少ないとされています。
これは、女性ホルモンであるエストロゲンが、作用して三大疾病の発症を抑えているためとされています。
エストロゲンは、内臓脂肪を分解する効果があるので、女性は皮下脂肪の方が付きやすく、内臓を悪くしにくいとされています。
つまり、女性が長生きをするためには、エストロゲンを維持することが重要になってくるわけです。
○エストロゲンの減少と生活習慣病
エストロゲンは、病気になりにくくする効果があるホルモンですが、加齢とともに少しずつ減少することが知られています。
エストロゲンによって、守られていたわけですから、エストロゲンが減少すれば、動脈硬化を起こしやすくなり、心臓病や脳血管障害を発症しやすくなるとされています。
また、エストロゲンは骨を強く保つ機能を持っているので、エストロゲンが減少すれば、骨粗鬆症を発症しやすくなり、高齢の女性は骨折しやすくなります。
なんと、エストロゲンの分泌量は、最終的に男性と同等、もしくは、男性よりも少ない値になると言われています。
ちなみに、男性はエストロゲンが低いですが、男性ホルモンのテストステロンが骨を守るので、女性よりも骨折しにくい状態が長く続きます。
そんな、加齢ともに減少してしまうエストロゲンを助けてくれる成分があります。
それは大豆に含まれるイソフラボンです。
○エストロゲンの変わりになるイソフラボン!
加齢ともに減少してしまうエストロゲンの分泌を増やすことは難しいですが、食品からエストロゲンに似た性質をもった物質を摂取することは可能です。
エストロゲンに似た性質を持つのは、イソフラボンと呼ばれる大豆に含まれている物質です。
大豆製品を食べることによって、簡単に摂取することができるため、日常的に大豆を食べることによって、イソフラボンを摂取することができます。
1日に40mg~50mgのイソフラボンを摂取すると良いとされており、納豆1パックや豆腐150g~200gを摂取すると良いでしょう。
イソフラボンは、サプリメントで摂取することもでき、サプリメントでイソフラボンを補充しても良いでしょう。
イソフラボンの摂取目安は、サプリメントは1日30mg以下、1日で75mg以下に抑えると良いとされます。
イソフラボンを摂取することで、エストロゲンを補って長寿になれる可能性が高くなるということですね。
○イソフラボンの過剰摂取に気を付けよう
イソフラボンは、女性ホルモンを補ってくれる成分ではありますが、過剰に摂取しすぎるのは良くないとされています。
特に若い女性の場合は、すでにエストロゲンは十分にあるので、イソフラボンを摂取してもあまり意味はなく、過剰となってしまうことが多くありますので注意してください。
イソフラボンが有効なのは、エストロゲンが減少する更年期の方になります。
健康に良いからという理由で、サプリメントを目安以上に摂取したり、納豆を毎日4、5パックも食べ続けたりするのはあまりおすすめできません。
年齢の増加に合わせて少しずつ、大豆製品を摂るようにするのが、体にとっても良いでしょう。
大豆製品は日常的に食べる物なので、そこまで、大豆の過剰摂取を気にする必要性はありません。
どんな食品にも言えることですが、過剰摂取はよくありません、食事のバランスを考えて食材を選びましょう。
健康に良い食材でも、同じものを食べ続けると、栄養失調になる可能性も十分にあります。
大豆を摂取して、エストロゲンを補って健康で長生きを目指してみてはいかがでしょう。