一般的に薬といえば口から入れるか、注射によって投与されることが多いですが、おしりの穴から薬をいれる場合もあります。
肛門から入れるタイプの薬を座薬といい、小児などに使用されることが多いです。
また、座薬には、飲み薬や注射器とは違ったメリットがあるために処方されているものであるため、絶対に口から投与してはいけません。
☆なぜ、おしりから薬をいれるの?
座薬をおしりから入れるのが抵抗ある人も多くいると思いますが、座薬の成分は経口薬にむかない成分であるために座薬にされているのです。座薬の特性を知り使用するようにしましょう。
○座薬の方が経口薬よりも早くよく効く!?
経口薬の場合は、薬を飲むと胃に流れて胃酸で溶かしてから小腸に流れて吸収されて血液にのって全身にわたります。
対して、座薬は直腸で、そのまま吸収されることになりますので、吸収後すぐに血管に入り、全身に行きわたります。
つまり、ステップが少ないため、すぐに吸収されて素早く効果がでてくれるのが座薬になるのです。
注射による薬の投与も直接血液におくるので、座薬のように薬の効き始めが早いです。
しかし、注射は医師でないとできませんので、家庭では座薬を使うのが一般的です。
小児の場合は、症状が悪化しやすく、すぐに病気に対処したいために座薬の方が良いのです。
また、経口薬の場合は、肝臓を通るので薬の効果が半減することもあるため座薬の方が早く良く効くといわれています。
座薬を口から入れても効くと思いますが、胃を荒らす可能性もありますし、症状が改善するまでに時間がかかり効果が弱いので、座薬を飲むのは、やめておいた方がいいでしょう。
座薬は肛門から入れるようにしましょう。
○座薬は胃を荒らす薬かも?!
すべての座薬が胃を荒らす薬であるというわけではありませんが、胃を荒らすために座薬にされている場合も多いです。
通常の飲み薬でも胃が荒れてしまうことがありますが、座薬はそういった飲み薬以上に胃を荒らしてしまう成分が含まれていることがあるため、口から投与すると胃痛や胃潰瘍などの症状がでてしまいます。
また、胃を直接は通りませんが、薬の成分は全身をめぐるので胃にもある程度負担がかかるといわれています。
肛門から入れても胃に負担がかかる薬ですから、胃に直接いれるのは非常に良くない行為になります。
座薬はきちんと肛門からいれるようにしましょう!
○座薬を使用するそのほかの目的?
病気の症状によっては、吐き気や嘔吐などの症状がでることがあります。
これらの症状がある時に薬を飲んでも、すぐに吐いてしまうために薬の効果が発揮されません。
また、吐いてしまうたびに薬を飲まれると薬の過剰摂取になってしまうこともあり、症状的に座薬の方が向いているために座薬が処方されることもあります。
さらに、痔などの肛門に疾患がある場合や患者の意識が無く薬を飲むことが難しい場合も座薬をいれることがあります。
座薬には、きちんと意味があって使用されているものなので、使用法を理解して使用するようにしましょう。
☆座薬の使用方法
まず、座薬をいれる前に手を洗って清潔にしておきましょう。可能性としては低いですが、何らかの感染症になる可能性があります。
座薬は、そのまま入れてもいいですが、入れにくい場合はオリーブオイルや水などを先端に塗ると良いでしょう。
小児の場合は、入れた後、肛門から出ないように1分間ほどふさいでおくと良いでしょう。
大人の場合は、すぐに出るようであればもう少し中に入れるようにしましょう。
座薬が時々出てしまうことがありますが、あまり溶けていなければ、新しいものをいれるか出た物を入れる必要があります。
しかし、ある程度溶けていれば様子をみて、再度使用するようにしましょう。
5分以上たって座薬がでた場合は、溶けてある程度吸収されているので、基本的に新しい座薬を追加することはないと考えて良いでしょう。
また、座薬の保管する時は、熱で溶けるので、とんがっている方を下にして冷蔵庫で保管すると良いとされています。
冷凍庫は寒すぎるので冷蔵庫で保管するようにしてください。