近視大国である日本はコンタクトレンズを使用している人数が非常に多く、長時間コンタクトレンズを使用してしまう人もいます。
コンタクトレンズはメガネのようにふちがなく、目と密着しているために視界がクリアで、視野が広いためとても重宝されている視力矯正器具になります。
しかし、コンタクトレンズは使用方法を誤ると失明する可能性があります。
○目は呼吸をしている!!
私たちは体を動かそうとするとどうしても酸素が必要になってきます。そのため人間は呼吸をして酸素を供給しています。
酸素は血管の内の血液によって運ばれ、全身の細胞に行きわたります。そのため、私たちの中にある血管の長さは地球2周半もあります。
そして、眼も酸素が必要であり白目には血管が通っていることがわかりますが、角膜(黒目の表面を覆う透明な部分)には血管が通っていません。
これは酸素が必要ではないから血管がないのではなく、光を通すためには邪魔になる血管が無いだけになります。
角膜は血管がありませんが酸素は必要なので、皮膚呼吸と呼ばれる血液からの酸素ではなく、外気から直接酸素を供給しています。
そのため、コンタクトレンズは酸素を通す必要性があり、酸素の通りやすさを酸素透過率であらわします。
○角膜血管新生とは何なのか?
角膜は血管がないので、角膜から呼吸をしていますが、眼にコンタクトレンズを使用すれば間に壁が入る分、酸素が供給されにくくなります。
短い時間であれば、角膜は大丈夫ですが、長時間・長期間コンタクトレンズを使用すると角膜の細胞が酸素不足になるのです。
角膜は外気から酸素が供給されないと、血液から酸素をもらうしかなくなるため、徐々に白目ら角膜に血管が伸びていきます。
この酸素不足により、角膜に血管が伸びてくることを「角膜血管新生」といいます。
角膜は光を通すために透明でなくてはいけませんが、血管が侵入してくると角膜は透明ではなくなります。
血管が侵入したところは徐々に白くなっていくのですが、角膜の端から徐々に血管が侵入してくるので、気づきににくく視力が低下し始めた時には、かなり深刻な状態になっており失明する可能性もあるといわれています。
○角膜血管新生にならないためには?
コンタクトレンズを使用することによって、角膜の酸素が足りなくなる病気であるためコンタクトレンズの使用をやめれば進行が治まりますが、コンタクトレンズを止めるのは難しい人が多いでしょう。そんな人はコンタクトレンズの使い方を変えましょう。
コンタクトレンズの酸素透過率は、ワンデイ(1日使い捨て)が最も低く、角膜血管新生はワンデイコンタクトレンズを長時間・長期間使用することによって起きる病気であり、2週間のものに変えることで予防することができます。
また、1日のものでも長時間使わないなどの対処をすることでも予防できます。
ワンデイよりも2週間の方が酸素透過率の高いものが多いですが、商品によって変わるので、商品表示を見てできるだけ酸素透過率の高いものを選ぶようにすると予防になります。
長期間使用する人は酸素透過率が80Dk/L以上のものを選ぶようにしましょう。
ハードコンタクトも酸素透過率が高いものが多く、角膜血管新生の予防にはハードコンタクトもおすすめです。
長時間コンタクトレンズを使用する人はワンデイのコンタクトはやめたほうが良いでしょう。
○カラーコンタクトが原因になることも
カラーコンタクトは、目の色を変えるために使用されている物であるため、酸素透過率をあまり気にしていないものが非常に多く、眼が悪くない人でもカラーコンタクトを毎日していると角膜血管新生になる可能性があります。
カラーコンタクトを購入する際は、値段だけで選ぶのをやめましょう。失明する可能性が高くなります。
カラーコンタクトは、厚生労働省が認可した安全なものから選ぶことをおすすめします。
また、もったいないからといって、使用期間が過ぎたコンタクトを使い続けないように注意しましょう。
コンタクトレンズは目につけるという性質上、病気の原因になりやすいものですので、きちんと理解して使用するようにしましょう。